公共劇場舞台技術者連絡会 趣旨
文化芸術振興基本法が制定され、文化芸術の振興が重要な課題と再認識される中で、地域の文化振興の拠点、芸術文化発信の基地としての文化施設の役割がますます期待されています。文化施設は、舞台芸術の創造・鑑賞・体験の場であり、地域独自の文化を育む場としての大きな役割を担っています。文化施設がこうした役割を担うためには、劇場を運営する舞台技術者の管理運営能力と技術力の向上が必要です。
特に、昨年に続けて起きた作業中の事故によって、劇場やホールの安全性が改めて大きな課題として浮き上がってきました。本年2月に閣議決定された「文化芸術の振興に関する基本的な方針(第2次基本方針)」の中でも、施設の安全な環境整備が求められています。現在、劇場等演出空間運用基準協議会において劇場等の安全な作業環境形成のための運用基準の策定と普及、さらにはその法的整備に向けた活動も始まっています。
文化施設を安全に運営し、その機能を十分に活用して創造的な舞台芸術を制作するためには、劇場等の運営・管理に係わる私たちがより一層情報交換し、ある時には協同して取り組んでいくことが必要です。こうした取り組みを進めることが、今後の日本の舞台芸術をさらに発展させる大きな力になると信じます。
そこで、公立の劇場やホールで舞台芸術を支える劇場技術者が連携して「公共劇場舞台技術者連絡会」を設立し、各劇場間の諸問題の調査研究や情報交換、研修を通して、製作作業の安全基準及び運用管理基準の策定と普及を行い、公演の円滑な進行管理と安全確保、技術的専門性の確立を目指すものであります。
平成19年2月22日 設立懇話会において
発起人(開館年順)
大野晃(神奈川県民ホール)
鈴木恒男(神奈川県民ホール)
武藤一郎(青山劇場)
山海隆弘(彩の国さいたま芸術劇場)
白神久吉(彩の国さいたま芸術劇場)
毎熊文崇(富山市芸術文化ホール)
眞野純(世田谷パブリックシアター)
市来邦比古(世田谷パブリックシアター)
伊藤久幸(新国立劇場)
林丘夫(びわ湖ホール)
伊藤英行(新潟市民芸術文化会館)
垂水健治(北九州芸術劇場)
渡部洋士(北九州芸術劇場)
馬場道雄(まつもと市民芸術館)
関谷潔司(兵庫県立芸術文化センター)