水戸芸術館コンサートホールに於いて 避難訓練コンサートを行いました
2011年8月27日に水戸芸術館コンサートホール(音楽部門企画)に於いて避難訓練コンサートを行いました。
金管と木管の演奏会で、演奏中に地震が起こったという想定で、お客様も演奏家も芸術館スタッフも、みんな一緒になって避難訓練に参加するという企画です。合間に広瀬広忠先生(東京女子大名誉教授 安全・安心研究センター・センター長)の講演を挟みました。入場無料で、当日の客の入りは500人ぐらいでほぼ満席でした。
観客避難となる設定は、公演中震度6弱の地震発生、建物は健全、地震が原因で停電になり公演中止、広場に観客を避難誘導するという設定です。
進行は金管の演奏中に地震発生(地震のSE入る)、演奏STOP(照明をあおる)、公演責任者が舞台に出て観客に注意(その場で低姿勢など)するように促すと同時に客席係、舞台スタッフが各非常口を開放、ホールと避難経路のブレーカーが落ち非常灯のみ、揺れが収まる(SE止まる)、防災センターより館内放送(非常時回線)が入り(係員の指示に従い、避難して下さい等)、各係は各非常口から避難場所(外)までの避難経路の安全を確認し、観客を順次誘導という手順で行いました。
ホール客席の出入口は客席後部6ヶ所でモギリから階段(2ヶ所)で2階へ、非常時のみ開く電気錠の非常口は舞台の上下と、舞台の後ろの座席(2階)に2ヶ所の計3ヶ所です。
実際の地震で揺れている時に係員(客席係はほとんど女性)が動いて扉を開けられるか、客席天井に吊ってある照明器具などがぶつかりあっている状態で下にいる客はその場にとどまっていられるか、揺れてる最中に逃げようとする客に強い口調で説得したほうが良いのか(客席係の意見)、車椅子客の対応に関しては、専用座席が客席最後部にあり、長い階段を担いで降りるか、2階に併設されている美術ギャラリーを通って避難するかですが、訓練ではギャラリーを通って避難したようです。しかし、ギャラリーには作品等が展示されており、通常は警備上18時に施錠しています。非常時(火災)のみ開く電気錠の非常扉は、地震の場合、防災センターで手動ボタンによる開錠になる為、すぐに対応してもらえるのか、そういう設備的(人的でもある)な事も含めて問題点が少なからずあり、これらを課題にしてこれから詰めていく必要があると思います。機会があれば、実際に震災時に本番中だった劇場の方の話なども聞き、今後につなげればと思っております。
水戸芸術館 久野伸二