“一目でわかる“舞台機構スタッフTシャツ
公益財団法人びわ湖ホール 総務部舞台技術課技師 小島 聡太
びわ湖ホールではスタッフジャンパーを制服としてオールシーズン使用しています。それは「びわ湖ホール」のスタッフとして、カンパニースタッフとの区別を行うために着用していますが、舞台照明・舞台音響・舞台機構のスタッフが同じジャンパーを着て舞台で作業をしているため、オペラやコンサートなど大人数のスタッフと一緒に仕込みを行う場合、このジャンパー姿のスタッフの中から舞台機構スタッフを判別してもらうのは非常に困難です。顔を覚えてもらえるのはチーフのみで、フロアースタッフはなかなか顔を覚えてもらえません。そのため、あちこちで「操作盤さ~ん」「機構さ~ん」と大声で呼ばれてチーフが駆けつけることがほとんどです。この状態では機能的でないため、どうすれば円滑なコミュニケーションが取れるかと考えていました。
そこで大勢の黒い服を着たスタッフの中からでも舞台機構スタッフを一目瞭然で判別してもらうことをコンセプトに「機構」と大きく書かれたTシャツを製作しました。
ポイントは①遠くからでも見える「機構」の文字②腰ベルトをしていても見える「STAFF」③ジャンパーの隙間から覗く「舞台機構」④アップ・ダウンを表す三角印です。これを着用してから、目視で作業者の職務内容が判り仕事がスムーズになったことで、コミュニケーションが密となり、舞台機構の新規スタッフでも常連のカンパニースタッフに顔を覚えてもらえるようにもなりました。 また、バトンの安全監視をしていることを周囲にアピールしているため、現在作業中であることも理解してもらえることが何より大きく変わった気がします。まだまだ「舞台機構」という職種が理解されていない状況です。職務内容の明確化のため、みなさんの劇場でも試してみては?