国内初!小ホール内“総LED舞台照明”
公益財団法人びわ湖ホール 総務部舞台技術課チーフ 押谷 征仁
忘れることが無いように日々意識し続けている節電、舞台照明において「節電」という言葉は舞台芸術の演出効果を阻害する可能性があり、ある意味タブーとされてきた様に感じられる現状があります。しかし、劇場においても「環境」を意識した対応は必要不可欠であり、出来ることから少しずつ行う必要もあります。びわ湖ホールでは、トイレに「ハンドドライヤー」などの装置が整備されていません。これも、環境を配慮した対応であり、電気やペーパータオルを使用することなく、一人一人が意識して「ハンカチ」を持参することを前提に運営を行っています。
そのような状況下で、舞台照明では「LED」の出現により、大きく変わろうとしています。背景として、大ホールは2kWのスポット、中ホールは1kWのスポット、小ホールは500Wのスポットを多用して運用を行っています。これは、投射距離によって熱量が変化するため、必要な熱量を確保するためスポットの置き位置(投射距離)によって、機材選定を行っている現状があります。LEDの舞台用照明は過渡期で、光量がまだまだ少ない状況ではありますが、小ホールで運用できるレベルの「舞台用LEDスポット」が発売されたことと、“点滅が無く調光がスムーズ”で“フラッシング効果”が無い機器が技術革新により可能となった状況を鑑みて、国内初となる“総LED舞台照明”を実現することとなりました。
その恩恵は、①楽器や出演者の熱および紫外線等のリスク回避、②演出効果の拡大、③騒音が出ない機材(ファンレス)を採用、④長寿命、⑤省エネ・CO2 排出量の低減等メリットも多く、「創造し発信する劇場」に相応しい時代を見据えた整備を行うことが出来ました。また、演出効果の幅も広がり出演者にも好評で、LEDと気が付かないほど自然な照明効果を演出しております。
通常のLEDコンサート明かり
要望があれば、このような演出照明も可能です!
さすが、LED照明は青色が美しい!
皆様も、びわ湖ホールの小ホールにお越しの際には、「すばらしい音響空間」と「鮮やかな照明効果」を体感してください。